ブランドマーケティング、ブランドマネジメントの経営コンサルティングのMCプロジェクト(MCP)

第2章 KAIZENの課題発見のための事実分析

D商品分析-1

1)分析する元データ
 POSシステムを導入していることが前提となるが、多くのところは導入しているだろう。
POSに商品原価(仕入価格)が連動してついていればよい。また仕入仕切率(定価に対する仕入価格の比率)も可能な限り付いていたほうがいい。
これは、一般に商品の定価販売は多くはない場合でも他商品の値引率に対して、特定商品の値引率を高めている場合があるが、その値引率差以上に販売個数が多くなる傾向ならその値付けは成功だが、下回る場合は良い値付けではなかったことが分かる。

これを商品別に次のようなデータに集計しておく。(年間データとして集計する場合を以下述べる)
a)年間販売個数
b)商品単価
  (年間販売金額=年間販売個数×商品単価)
c)商品粗利率
  年間総粗利額=年間販売金額−年間総原価  ・・・・  粗利率=年間総粗利額÷年間販売金額
d)仕入仕切率
  年間定価売上=定価単価×年間販売個数 ・・・・ 仕入仕切率=年間総原価÷年間総原価
基本データベースとして最低このような形があればよいであろう。

品番等 品名 年間
販売金額
年間
販売個数
商品
単価
商品
粗利率
原価
単価
年間
総原価
年間総
粗利額
定価
単価
年間定価
売上金額
仕入
仕切率
xxx xxxxxx xxxxxx xxxx xxxx 0.xxx xxxx xxxxxx xxxxxx xxxx xxxxxx 0.xxx
xxx xxxxxx xxxxxx xxxx xxxx 0.xxx xxxx xxxxxx xxxxxx xxxx xxxxxx 0.xxx
商品ごとにこれらのデータを、たとえば月間単位で月度処理集計で出しておけば年間集計も簡単にでき、商品分析のデータ処理が容易になる。


2)商品のランクづけ

 商品は、商品の中分類・小分類のカテゴリー別に分類し、そのカテゴリー内でのその商品の収益パフォーマンスをランク付けする。
交差比率(粗利率×回転率)は、投下経営資源(仕入資金)が効率的に売上げ収益に貢献しているかを見る重要な指標である。
本来回転率は販売個数が多い商品 では発注管理が適切ならば改善していける。商品の収益パフォーマンスのランク付けは、販売個数を採用し回転率はここでは外しておくことにする。(商品パ フォーマンスの販売数量と、商品管理のパフォーマンスの店頭在庫両方のパフォーマンスを回転率は含んでいる)

 商品の収益性のパフォーマンスのランク付けは、同種カテゴリー(商品中分類・小分類)のかで、
「年間販売個数」「商品単価」「粗利率」がそれぞれの平均値に対してどの程度のレベルに各商品が位置づけられるか、同じ単位のデータ指標で表されるようにする。
販売個数xxxxx個、商品単価xxxx円、粗利率xx.x%・・・・このように単位の違う・平均値の違う生のデータを、たとえば400アイテムの商品 データを見せられても、各商品の「販売個数」「商品単価」「粗利率」は商品カテゴリー内でそれぞれの値は良い方なのか悪いほうなのか判断できない。

 そこで使えるのが、「偏差値」がある。
学力テストや入試模試などでご存知だろう。平均値を50として、データのばらつき具合といえる「標準偏差」を10に修正した得点である。
「年間販売数量」「商品単価」「粗利率」のそれぞれの平均を同じ「50」としてそれぞればらつきの違うのを標準偏差「10」のばらつきにして偏差値を求め、たとえば偏差値が「年間販売意数量」が58.2、「商品単価」47.1、「粗利率」45.7・・・・なら販売数量は大変いい方だが、商品単価は低めで粗利率は大変悪い、ということが簡単に判断できるようにするものである。
・・・・「偏差値」「標準偏差」については、このリンクページで求め方を説明しています。

たとえば、以下のような表になる。

陳列

商品名

販売金額

販売量

単価

粗利

年間金額計

偏差値

年間数量

偏差値

売単価

偏差値

粗利率

偏差値

0

B-A

219,511

41.4

1,689

41.3

113.1

40.4

54.4%

62.1

1

B-B

3,757,979

45.9

21,377

48.2

152.9

43.2

45.0%

53.7

0

B-C

1,795,206

43.4

20,406

47.9

76.5

37.8

46.9%

55.4

0

E-A

3,608,555

45.7

41,094

55.1

76.4

37.7

15.8%

27.8

1

E-B

7,005,953

50.0

39,779

54.7

153.2

43.2

37.9%

47.4

0

E-C

5,111,847

47.6

38,596

54.3

115.2

40.5

34.4%

44.3

1

E-D

2,528,681

44.4

11,486

44.8

191.5

45.9

36.9%

46.5

0

E-E

4,116,474

46.4

15,640

46.2

229.0

48.6

17.5%

29.3

1

E-F

4,081,731

46.3

18,890

47.4

188.0

45.7

37.9%

47.4

0

E-G

971,951

42.4

3,123

41.8

270.7

51.6

40.8%

50.0

1

J-A

7,041,174

50.1

17,858

47.0

343.0

56.7

44.9%

53.6

0

J-B

6,425,944

49.3

73,119

66.3

76.5

37.7

50.8%

58.9

1

J-C

12,029,961

56.4

91,032

72.6

115.0

40.5

58.0%

65.2

1

J-D

20,861,540

67.5

40,363

54.9

449.7

64.3

47.2%

55.7

1

J-E

21,036,380

67.8

79,732

68.6

229.5

48.6

45.1%

53.8

0

J-F

19,105,696

65.3

73,893

66.6

224.9

48.3

46.3%

54.9

〜  〜      〜       〜     〜     〜      〜     〜     〜    〜     〜  

 販売数量の比較的多い販売数量偏差値55以上の売れ筋商品を抽出して、その売れ筋商品の中の単価・粗利率は良い商品・悪い商品の商品構成の状態が簡単に分析検討ができる。
生データでは、データ分析させる担当者(バイヤー・エリアスーパーバイザー・店長・売場責任者等)に、統計分析に不慣れな上に忙しいなかデータ処理をさせなければ改善の検討分析(読み取り)・判断ができない。・・・・そんな状態を放置していいないか?

 EXCELに、計算入力の関数を事前に入れておき、データを流しいれれば処理できるようにしておけば簡単である。ビジュアルベーシックを利用すればさらにデータ処理は自動処理しやすいものにできる。
システム部門にこんなデータを出してほしいといってもなかなか対応してくれない(システム処理方法やシステムのプログラム構成の問題、対応の手間の問題等から)、これも基本データを定期的に処理しデータを取り出して、必要な部署にデータを配布するようにすればよい。分散処理できるようにすれば良い。

 また、同種商品の比較が原則になるが、「商品単価の安さ」と「販売数量の多さ」の商品比較ができる指標を出しておくとさらに良い。
単価の偏差値の逆数を求め(安いものほど偏差値が高い)、販売数量の偏差値との比率を指標化すると良いであろう。これは同種商品でありながら商品単価を下 げたもう一つの商品が単価引き下げの割合以上に販売数量が伸びていたら、棚の収益性は上がる要素となりうるが、そうでなければ収益性を悪化させる原因にな ることがあるからである。


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