エフェクチュエーションで新たなビジネスチャンスを発見せよ!マーケ屋

Effectuation: Elements of Entrepreneurial Expertiseは、Saras D. Sarasvathy氏が2008年に出版されました。

エッセンスとエフェクチュエーションを学ぶためのサイトがあります。

http://effectuation.org/

http://effectuation.org/sites/default/files/documents/effectuation-3-pager.pdf

の2ページ目に起業を何度も成功させている経営者の5つの行動原則Principles of Effectuationが整理されています。2ページ目だけをJPEG画像に変換しました。

Principles-of-effectuation1800

Effectuationはどのような経営の場面で有用なのか、これまでのものと何が違うのか、「マーケティングを学ぶ」石井淳蔵先生(現:流通科学大学学長・日本マーケティング学会会長)の著書「マーケティングを学ぶ」筑摩書房2010年1月10日をご参照いただきたい。

第一部で記されている「STPT」(細分化:Segmentation→ターゲティング:Targeting→ポジショニング:Positioning→オペレーション:Technology)で、ポジショニングを先行させる例があります。

「いまだ現実のものとはなっていない」生活者のニーズ、いわば生活者の未来のニーズを先取りする。こういった場合にポジショニングを先行させる例があるとされています。

Suicide_Quadrant

図の中の新市場・新製品の自殺象限:Suicide_Quadrant(既存市場・新市場と既存製品・新製品の2軸マトリクスで新市場・新製品の象限:一番成功率が低いとされる)は、伝統的なマーケティング技術は通用し難いと言われています。Saras先生のEffectuationはこの象限で何度も起業で成功している起業家個人の行動様式を研究したものです。

「いまだ現実のものとはなっていない」生活者のニーズ、いわば生活者の未来のニーズを先取りする新市場・新製品の象限での起業・新規事業開発の場面で有用なものだと思います。

 

Kotler(コトラー)等従来の経営やマーケティングの世界では、経営・マーケティング理念(コンセプト)⇒経営・マーケティング目標(ミッション)⇒経営・マーケティング戦略⇒経営・マーケティング計画のプロセスにおいて、合理性に基づく意思決定「コーゼーション」によって作成することを求めています。

Sarasvathy(2008)は、ビジネススクールにおける起業家教育の講義やマーケティングの講義で教える合理的意思決定を用いた推論である「因果推論(causal reasoning)」とは反対の思考法であることを明らかにして、その経験豊かな起業家の意思決定の特徴を、「エフェクチュエーション」と定義しました。

エフェクチュエーションのプロセスは2009年から色々整理されていますが、定着しているものがPrinciples of Effectuationのページの右上の詳細表示されていないThe effectual cycleです。

ネットで検索すればいくつも出てくるので手書き部分を削除して元画像をJPEG画像にしました。

The effectual cycle

元の画像のURLは、https://necrophonedotcom.files.wordpress.com/2014/01/effectuation.jpg です。

「やってみなはれ。やらなわからしまへんで」サントリー創業者の鳥井信治郎が残した名言である。いまだに経営組織風土など「挑戦心こそ企業活力の源泉であると考え、そのことを体で示す」例として取り上げられています。「The effectual cycle」はそれを実践するフレームを提供しています。

もうじき神戸大学大学院経営学研究科の高瀬進が日本語翻訳されたEffectuation: Elements of Entrepreneurial Expertiseが出版されると思います。

これとあわせて当初本にあるものから少し進化した形の「The effectual cycle」を参考にされるといいでしょう。

 

日経新聞2015年6月16日のP8のグローバルBizに、「米有力VC創業者、ホロウィッツ氏  CEO、経営力より創造力」という記事があります。

プロの経営者は「イノベーター」になりえないのか?・・・・きっぱりと「ほぼ不可能だ。」と言い切っていました。また「いまの最高経営責任者(CEO)には経営の巧拙より、創造力が以前にも増して求められている。とはいえ、会社が大きくなれば経営力も問われてくる。伝統的なVCは出資したベンチャー企業が大きくなると、トップを創業者からプロのCEOに代えてしまうが、我々は創業者に経営を教え、CEOになってもらう。プロのCEOは創業者が生み出したイノベーションの果実の最大化は得意だが、自ら次のイノベーションを起こすことはできないからだ。」と述べています。

 

私は2009年にSarasvathy先生のEffectuation: Elements of Entrepreneurial Expertiseを読み始め2010年になんとか読み終え、The effectual cycleに出会いました。2010年からThe effectual cycleをベースにクライアント企業の新規事業開発をマーケ屋としてご提案し、プロジェクトからスタートし今は新しい事業部としてまだ成長し続けていただいています。

日本における既存事業は、団塊の世代の引退から急速に市場規模が減少しています(人口減少による市場規模現象はその以前からも言われていましたが)。JMR生活総合研究所の松田久一代表取締役が提唱されている、地域格差、資産格差に加えて正規雇用と非正規雇用の職業格差、現役世代と65歳以上の高齢者世代の格差、4つの複合要因で格差が生まれている現在の日本の「クラス消費の時代」のマーケティング・・・・。

「クラス消費の時代」の「The effectual cycle」による新市場・新製品の自殺象限:Suicide_Quadrantにおける新事業開発・事業革新にチャレンジして行くことが必要でしょう。

プロの経営者の合理的意思決定を用いた推論である「因果推論(causal reasoning)」は企業経営にとって非常に重要なことです。一方で「The effectual cycle」で新事業開発・事業革新にチャレンジする機会を与え社内起業させることが継続的な企業の活性化にはさらに重要なことだと考えています。社内起業の経験から創造的適応力のある人材・組織が育成され、その人たちに経営を教えCEOになってもらい、継続的な企業の活性化ができると考えています。

フィリップ・コトラーが昨今のマーケターに対して警鐘を鳴らしている一つに、新たなビジネスチャンスを発見せよということがあります。初期微動を捉えイノべーションに繋がるアイデアは、最初は業界の経営の常識に照らしておかしかったり間違っていたりするように見えるものです。市場の声(生活者や新たなステークホルダーを含め)を収集し初期微動を捉えイノべーションに繋がるアイデアをテスト・マーケティングする・・・・この時にThe effectual cycleが役に立ちます。今のところマーケ屋の私には、クライアント企業での新規事業開発や事業革新にThe effectual cycleをベースにして実践的に役立たせていただいています。

早く翻訳出て欲しい、待ち望んでいます。研究の手法としてのプロトコル分析ではなく、コトラー先生がマーケターに「新たなビジネスチャンスを発見せよ!」といわれている期待に応えるために、いつも石井淳蔵先生がいわれる「創造的適応」を実践するためにも、故水口健次がマーケターなら顧客接点の「初期微動をとらえろ!」を実践するためにも、「The effectual cycle」の現場での活用を深めたい。原書は読んでも語学力の乏しい私には、本当に正しく理解できているか不安があります。

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事業開発・革新の新しいセオリー EFFECTUATION:Elements Entrepreneurial Expertise 翻訳本が出る

エフェクチュエーション

新事業開発・革新の新しいセオリーの本

29日に日本マーケティング学会の第1回エフェクチュエーション研究会報告に参加しました。

私がこの本を購入したのは2009年、ちょうどクライアント先でEC新規事業に繋げるプロジェクトのお手伝いをしていました。過去多くの新規事業開発の日本の書籍で学ぼうとしましたがコンサル本ばかりで・・・・、ようやく見つけこれだと思えた本です(目次や前書きなどがPDFであったので自動翻訳に掛けて)。肝心なところだけ辞書を引きながら1ケ月で読んで整理しこれを指針にEC新規事業に繋げるプロジェクトの仕事に取り組みました。・・・・読破するには1年以上かかりました(笑。

この本が、神戸大学大学院経営学研究科の高瀬進氏が翻訳され今年の初夏頃発売されるようです。・・・・ありがたい、使いようによっては新事業開発・革新に有益なものですが日本語の本がなく周りに内容を説明しにくかったのです。5つのEffectual Principles(効果的な原則)がありその中の「Co-Creation Partnership:Crazy Quilt」というところから本の表紙ができています。コミットする意思を持った利害関係者(ステークホルダー)とパートナーシップを築き新しい市場・ユーザーを開拓すると私は解釈しています。詳しくは、英語サイトですが自動翻訳をかけることができますので、http://effectuation.org/。

日本マーケティング学会会長の石井学長(流通科学大学)の神大助教授時代からの著書もよく読ませていただいていました。STPマーケティングとは別に企業が検討すべき行動原則として「意味構成」・「了解行動」そして「共感的・対話的な理解」が必要だと1993年から言われていました。1980年代半ば、故水口健次氏が会長をしていた日本マーケティング研究所に入り竹山元一氏(元立命館大学客員教授)が社長を務める(株)エム・シー・プログラム(MCP)に配属されたころから同様のことが社内外(各大学の経営学教授の方々を含む)で議論され、仕事だけでなく時間外に社内勉強会などもありました。販促の利害関係者の概念でしたが、水口のペンタゴン・モデルというものがあります。ペンタゴンモデル(老マーケ屋なのでステークホルダー(利害関係者)は使い慣れたこのペンタゴン・モデルが馴染みやすいので、これを使用しています・これからもまだ使用します。)

新規事業開始時(ベンチャーを含む)や事業革新しさらなる成長を図ろうとするときには、STP(セグメント・ターゲット・ポジショニング)マーケティングしようにも定性的リサーチによる事業仮説しかない。・・・・定性的リサーチは、初期微動を起こしているペンタゴンモデルの各関与者の情報を集め事業仮説(意味構成)を作りますが、オーナー中堅企業でもプロジェクト(数億円の事業規模)を推進しようとすると社内からの障害(了解行動をとろうとしても共感的・対話的な理解が得られず)が多々生じます。事業部として自立するまでには、コミットする意思を持った利害関係者(ステークホルダー)とパートナーシップを築き新しい市場・ユーザーを開拓していくことが大切だと実体験から感じました。数十億の事業部になりSTPが重要になります。コトラーのいうマーケターは(百億オーダーの事業規模にできる)商品開発・サービス開発すべし、という事業の次元になり利害関係者も期待するしSTP(セグメント・ターゲット・ポジショニング)マーケティングが展開できるようになる。

50代半ばを超えた老マーケター(マーケ職人)、最後のチャレンジになるであろう「エフェクチュエーションによる新規事業開発・事業革新」。研究手法としてではなく新規事業開発・事業革新における「意味構成」・「了解行動」そして「共感的・対話的な理解」を実現する経営手法として学会でも大切に育てて頂ければ・・・・と願っております。私自身ここ数年実践をしていますが、「いかにクライアント企業に根づかせていくか」この課題をどう具体的にやっていけばいいのか暗中模索の状態です。

何はともあれ、日本語のEFFECTUATION:Elements Entrepreneurial Expertiseが出ることは私にとって「非常にありがたい」・「非常に幸運」なことです。楽しみにしています。

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