日本マーケティング学会のマーケティングサロン“Choi Labo”in KANSAI

2015年8月6日、日本マーケティング学会の第34回マーケティングサロン「“Choi Labo”in KANSAI ―明日は、ビジョンで拓かれる:―長期経営計画とマーケティング―」に大阪へ出かけてきました。気軽な会合ですが、私には良かった。春に本を買って読んで気になっていたところが、スッキリしました。

石井会長(流通科学大学学長)の短いお話では、ドラッカー氏の宗教の先生が「何をもって憶えられたいかね」を引用しながら、「ポジショニング」に展開し、揺るぎないポジショニングや自分の視点ではなく他者の評価も大切にすることによって「ビジョン」を形成して行くことが大切だと、19分という短い時間でのスピーチで述べられていました。
私は、「IDENTITY」と万年筆で手書きで自分のメモに書き留め納得していました。

栗木教授(神戸大学大学院経営学研究科教授)もさらに短い時間でお話しされました。
東京で経営ビジョンについて社会人大学院で勉強会をした時は、ミドルマネジメント層の方が多く、「経営ビジョンの大切さは分かるが、現場では大変なんですよ!」という反応。大阪で経営ビジョンについて社会人大学院で勉強会をした時は、中堅中小企業経営者の方が多く、「その通りだ!」という反応。
栗木教授は、経営トップでなくてもミドルマネジメントであっても「ビジョンを持って自分のビジネスに取り組む」ことが大切だと「リクルート」の「受験サプリ」の事例を紹介しながら話を結ばれました。
春に「明日は、ビジョンで拓かれる」の本を購入し何度か気になるところを読み返しながらその時こんなメモを書いていました。

経営ビジョンは経営者・経営陣しか作り得ないものなのか?
経営ビジョン策定は、トップマネジメントの関与を抜きに進められることは考えにくい。ボトムアップ型での経営ビジョン策定であっても、企業としての経営ビジョン策定は、経営者・経営陣のマネジメントによって行なわれるものであることは確かなことでしょう。

全ての経営者・経営陣が将来の企業成長をもたらすことができる経営ビジョンを策定できるか?
そうではないことを、「明日は、ビジョンで拓かれる」のケーススタディーが物語っています。
さらに、経営ビジョンは外部から招聘されたプロの経営者が策定し得るのかというと、同書第5章IBMのケースでそれは難しいとされています。
IBMのケースでも外部から招聘されたプロの経営者ルイス・ガースナー氏が企業経営を立て直し、生え抜きの人材からサミュエル・J・パルミサーノ氏を後継経営者に登用し、将来の成長に向けて経営ビジョン策定を託しています。パルミサーノ氏は、すでに社内にあったJAMがもたらす集合知の活用を、経営ビジョン策定のために応用しボトムアップ型の方法をとった。
経営の建て直しには、生え抜きよりも外部から招聘されたプロの経営者が適しているようです。これまでのシガラミがなく、合理性に基づく意思決定(causation:コーゼーション)するマネジメントを断行しやすいでしょう。ルイス・ガースナー氏は退任時に在任中学んだ最も重要なこととして「企業文化が経営の一つの側面ではなく、経営そのものであるということだ」と述べています。
第2章エーザイのケースで、「患者様と喜怒哀楽を共にする」ということの最大の成果として内藤晴夫社長は、「一人ひとりの社員が、予期せぬ事態や何らかの決断を求められる局面に対峙した時に、自らの価値観や判断基準に沿って自主的に意思決定し行動を起こせるようになってきたことだ」と述べられています。企業理念は経営TOPが策定するものの、hhc活動やチーフタレントオフィサーという人材力強化のための役職など、ボトムアップ型の企業文化を醸成する仕組みがある。
第4章のサントリー、「まあ、そう言わずに、やってみなはれ。」「やるだけのことはやりなはれ」市場のないところに市場をつくる企業文化。「利益三分主義」の社会貢献事業・・・・本にはないが1980年代前半カリフォルニア・ワインが今ほど有名ではない時代、ナッパのロバートモンダビのワインを日本で販売していたのはサントリーだったと記憶しています。サンフランシスコのホテルでデービット・A・アーカー氏にJMRの当時社長森茂樹・ラジオアソシエイツの柳沢健氏と共にお会いし、「カスタマー・リレーションシップ」についてのお話をしました。カスタマー・リレーションシップにおけるIDENTITYの重要性について学ばせていただいたという私の感想を話したことを覚えています。おそらくロバートモンダビへの訪問・ヒアリングはアーカー氏のコーディネートだったと記憶しています。企業文化の共通性があるワイナリーだったから、サントリーはロバートモンダビを扱われていたのでしょう、少なくとも私は当時そう考えていました。
企業文化という継承すべき行動様式のようなものをビジョンという形にCSR推進部が社長の命を受けて整理・策定したケースのように思います。世界戦略を担うプロの経営者といわれる方へのバトンタッチの準備だったのか?・・・・私はそう勘繰ってしまいます。しかしサントリー・ウェルネスを生み出したりするミドルマネジメント層のサントリーの企業文化は素晴らしいと私は今も思っています。

第2章エーザイのケース・・・・野中郁次郎氏の暗黙知の論理が内藤晴夫社長の心を捉えビジョンだけが先行していまひとつ実践につながらなかったときにある転換が起こった。顧客との喜怒哀楽を通じて得る知は、「その場でしか知りえない、その人でしか知りえない知」にほかならない。「そうした暗黙知を組織に持って帰り、組織の知、共同の知とするプロセスが大切だ」と説く野中の理論を受けhhc活動の転換を促した・・・・とあります。

デービット・A・アーカー氏は今もBURAND だけではなくビジネスのIDENTITYを重視しておられると私は考えています。30年近く前マーケティング会社を経営されていたアーカー氏とのお話でIDENTITYの重要性を学び、今の私はマーケ屋としてCORPORATE CULTURE のIDENTITY(断じてCIではない)を形成していくためにビジョンは重要だと考えています。
IDENTITYは、実際に行動していて顧客やステークホルダーがそれをどう認知しているかを知ることでブランドマネジメントのようにマネジメントできるものだと思います。
ビジョン策定が先か創造適応する行動が先かはケース・バイ・ケースでしょう。優秀な経営者が明日を切り拓くような魅力あるビジョンを提示し、行動を起こさせる仕掛けや仕組みを導入し、実際に行動に起こされていればマネジメントできるでしょう。
ビジョンが策定されてない中でも、創造適応する行動が企業の中で行われており行動様式が社内で認められていれば成文化されていないだけで、企業文化としてIDENTITYは形成されているでしょう、そして顧客やステークホルダーはそれを認知しているでしょう。ただマネジメントしているか?といえばマネジメントできていない。
リクルートの江副イズム「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」。顧客を含めステークホルダーとの関わりの中で自ら機会を作り出し、機会を活かせるようにするための行動を起こし自らを進化させよということ。
この江副イズムの考えを記したものが今もリクルートのミドルマネジメント層の机の中にあります。中途採用でリクルート出身者を採用したいと高い人気があるのもこの江副イズムによるところも大きいようです。リクルートで担当するビジネスを「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」といっているだけでなく、成長したら独立を奨励するリクルートの江副イズムです。ビジョン持ってエフェクチュエーションにあるような何度も企業を成功する経営者の行動様式に似た行動を彼らはしています。

市場の初期微動は、現場で関わるステークホルダーの変化を意識して捉えようとしなければ発見できないものです。初期微動から自ら機会を作り出し、機会を捉えるべく自らを変えチャレンジ行動を起こし、社内でビジネスユニットとして認められることができれば、そんな人たちが輩出されその暗黙知が組織共有されていけば、企業文化としてIDENTITYは形成されるのではないでしょうか。

私のIDENTITYは古いJMR流のマーケ屋です、「お客様のよい結果が得られるまでお手伝いする!」。リサーチ・分析・提案だけではだめ、商品開発もチャネル開発もプロモーションも現場で実務支援できるよう様々なスキルにも挑戦してメゲズニお手伝いしきる。還暦も近づく老体・老眼に鞭打ってマーケ屋に精進するのは、経営やマーケティングやIT・ICTの新しい手法を学んで現場で活かしてみてちょっとでも成果が出てくると面白い!から。

以上がその時のメモのコピペです。
マーケティング学会も大阪や地方都市の会員が少なく、大変そうです。
経営やマーケティングなどの研究会、古巣のJMRの戦略ケース研究会も大阪は無くなりました。大企業はほとんど東京本社、経営やマーケティングに関心のある人の密度が違う!
年会費一万円、ドラッカー氏も次のように言っています。
自己啓発に最大の責任を持つのは、本人であって上司ではない。
自らの成長のために最も優先すべきは、卓越性の追求である。
能力は、仕事の質を変えるだけでなく、人間そのものを変えるがゆえに、重大な意味を持つ。
しかも、仕事が心を躍らせるのは、仕事を通じて自己刷新がはかられるときである。
その自己刷新の王道が、予期せぬ成功の追求である。
お仲間が増えると嬉しいです。
大学の先生や研究者の方が多く、寂しくしています。

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社内ベンチャー起業家育成にエフェクチュエーションを応用

エフェクチュエーションは、複数回起業し成功させた起業の専門家に共通する行動特徴を抽出し、後にThe effectual cycleとしてまとめられたものです。

経営学やマーケティング学の常識である、経営理念(コンセプト)⇒経営目標(ミッション)⇒経営戦略⇒経営計画のプロセスにおいて、新事業開発をしようとするアプローチではありません。

経営学では、過去の研究結果からも新商品・新市場の象限に位置づけられる新規事業は成功確率が非常に低い領域とされています。だから、シナジー効果のある領域に戦略的に技術・市場の研究をし、合理性のあるエビデンスに基づいて作成された経営戦略・経営計画によって着手するかどうかを経営意思決定されるのが一般的です。

経営的には効率よく新規事業を立ち上げるために、有望そうな新商品・新市場の事業領域は、M&Aで取り組まれるケースも少なくありません。

これらとは違った社内ベンチャーの起業家を育成するフレームを提供しているのが「エフェクチュエーション」だと私は捉えています。

The effectual cycle

 

エフェクチュエーションは、新商品・新市場の新会社(ビジネスユニット)を起業するに当たってPilot-in-the-Plane (Control vs. Predict)予測よりコントロールを重視しています。専門家の起業家は、起業しようというとき合理性のある十分なエビデンスに基づいて作成された経営戦略・経営計画を作成して着手するのではありません。

予測よりもコントロールを重視するとは、自ら情報収集の行動をしビジネス仮説シナリオを立て、利害関係者と交流し協力を得て、その中から初期のキー・パートナーを見つけ出しリスクも含め自分がリードしてやっていけると確信できるなら実行するということだと、私は考えています。

 

ビジネス仮説シナリオを立てられるだけの質的情報(専門家や利害関係者へ自らデプス・インタビューすることを含め)と変化の初期微動を捉えるキー指標から、新事業の構築に着手したとき、私は誰(ポジショニング)・私が知っていること(オペレーション)・私が知っている人(実現するための協力者)から実行可能な手段(MEANS)を起点に、可能性を探ります。

そして、リスクを最小限にした活動から得られるリターンを目標とするのではなく、許容できる損失の大きさによってリスクの限度を定め、そのリスクの範囲内で起こり得る高い方の目標とアクションを選択する。(Affordable Loss)

「悪い」ニュースやサプライズに出くわしても、むしろそれは新たな市場を作り出す潜在的機会をもたらすと解釈し、その代わりに最悪の事態に対処するための「仮説」シナリオを作る。(Lemonade (Leverage Contingencies)

利害関係者に自ら交流し、その中からビジネス仮説シナリオに興味を持ってくれた(相互作用しあえる)参加者を自ら選んで事前に約束をとりつけ不確実性を減らし、ベンチャー初期のパートナーとして新たな市場を共同開発する。(Crazy Quilt:Partnerships)

ベンチャー初期のビジネス仮説シナリオを実行していくと、そこでまた新たな利害関係者との交流が生まれ新たなパートナーができ、新たな実行可能な手段と目標が見つかります。

このようなThe effectual cycleを経て一定の事業規模になると経営学でいうところのビジネスユニットの段階に成長したといえるでしょう。

そのビジネスユニットを通して、経営理念(コンセプト)⇒経営目標(ミッション)⇒経営戦略⇒経営計画プロセスのマネジメントをしなければなりません。プロの経営者候補としての育成段階に移行します。

「The effectual cycle」で新事業開発・事業革新にチャレンジする機会を与え社内起業させることが継続的な企業の活性化にはさらに重要なことだと考えています。社内起業の経験から創造的適応力のある人材・組織が育成され、その人たちに経営を教えCEOになってもらい、継続的な企業の活性化ができるのではないかと考えています。

株式会社MCプロジェクト 代表取締役 坊池敏哉

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エフェクチュエーションで新たなビジネスチャンスを発見せよ!マーケ屋

Effectuation: Elements of Entrepreneurial Expertiseは、Saras D. Sarasvathy氏が2008年に出版されました。

エッセンスとエフェクチュエーションを学ぶためのサイトがあります。

http://effectuation.org/

http://effectuation.org/sites/default/files/documents/effectuation-3-pager.pdf

の2ページ目に起業を何度も成功させている経営者の5つの行動原則Principles of Effectuationが整理されています。2ページ目だけをJPEG画像に変換しました。

Principles-of-effectuation1800

Effectuationはどのような経営の場面で有用なのか、これまでのものと何が違うのか、「マーケティングを学ぶ」石井淳蔵先生(現:流通科学大学学長・日本マーケティング学会会長)の著書「マーケティングを学ぶ」筑摩書房2010年1月10日をご参照いただきたい。

第一部で記されている「STPT」(細分化:Segmentation→ターゲティング:Targeting→ポジショニング:Positioning→オペレーション:Technology)で、ポジショニングを先行させる例があります。

「いまだ現実のものとはなっていない」生活者のニーズ、いわば生活者の未来のニーズを先取りする。こういった場合にポジショニングを先行させる例があるとされています。

Suicide_Quadrant

図の中の新市場・新製品の自殺象限:Suicide_Quadrant(既存市場・新市場と既存製品・新製品の2軸マトリクスで新市場・新製品の象限:一番成功率が低いとされる)は、伝統的なマーケティング技術は通用し難いと言われています。Saras先生のEffectuationはこの象限で何度も起業で成功している起業家個人の行動様式を研究したものです。

「いまだ現実のものとはなっていない」生活者のニーズ、いわば生活者の未来のニーズを先取りする新市場・新製品の象限での起業・新規事業開発の場面で有用なものだと思います。

 

Kotler(コトラー)等従来の経営やマーケティングの世界では、経営・マーケティング理念(コンセプト)⇒経営・マーケティング目標(ミッション)⇒経営・マーケティング戦略⇒経営・マーケティング計画のプロセスにおいて、合理性に基づく意思決定「コーゼーション」によって作成することを求めています。

Sarasvathy(2008)は、ビジネススクールにおける起業家教育の講義やマーケティングの講義で教える合理的意思決定を用いた推論である「因果推論(causal reasoning)」とは反対の思考法であることを明らかにして、その経験豊かな起業家の意思決定の特徴を、「エフェクチュエーション」と定義しました。

エフェクチュエーションのプロセスは2009年から色々整理されていますが、定着しているものがPrinciples of Effectuationのページの右上の詳細表示されていないThe effectual cycleです。

ネットで検索すればいくつも出てくるので手書き部分を削除して元画像をJPEG画像にしました。

The effectual cycle

元の画像のURLは、https://necrophonedotcom.files.wordpress.com/2014/01/effectuation.jpg です。

「やってみなはれ。やらなわからしまへんで」サントリー創業者の鳥井信治郎が残した名言である。いまだに経営組織風土など「挑戦心こそ企業活力の源泉であると考え、そのことを体で示す」例として取り上げられています。「The effectual cycle」はそれを実践するフレームを提供しています。

もうじき神戸大学大学院経営学研究科の高瀬進が日本語翻訳されたEffectuation: Elements of Entrepreneurial Expertiseが出版されると思います。

これとあわせて当初本にあるものから少し進化した形の「The effectual cycle」を参考にされるといいでしょう。

 

日経新聞2015年6月16日のP8のグローバルBizに、「米有力VC創業者、ホロウィッツ氏  CEO、経営力より創造力」という記事があります。

プロの経営者は「イノベーター」になりえないのか?・・・・きっぱりと「ほぼ不可能だ。」と言い切っていました。また「いまの最高経営責任者(CEO)には経営の巧拙より、創造力が以前にも増して求められている。とはいえ、会社が大きくなれば経営力も問われてくる。伝統的なVCは出資したベンチャー企業が大きくなると、トップを創業者からプロのCEOに代えてしまうが、我々は創業者に経営を教え、CEOになってもらう。プロのCEOは創業者が生み出したイノベーションの果実の最大化は得意だが、自ら次のイノベーションを起こすことはできないからだ。」と述べています。

 

私は2009年にSarasvathy先生のEffectuation: Elements of Entrepreneurial Expertiseを読み始め2010年になんとか読み終え、The effectual cycleに出会いました。2010年からThe effectual cycleをベースにクライアント企業の新規事業開発をマーケ屋としてご提案し、プロジェクトからスタートし今は新しい事業部としてまだ成長し続けていただいています。

日本における既存事業は、団塊の世代の引退から急速に市場規模が減少しています(人口減少による市場規模現象はその以前からも言われていましたが)。JMR生活総合研究所の松田久一代表取締役が提唱されている、地域格差、資産格差に加えて正規雇用と非正規雇用の職業格差、現役世代と65歳以上の高齢者世代の格差、4つの複合要因で格差が生まれている現在の日本の「クラス消費の時代」のマーケティング・・・・。

「クラス消費の時代」の「The effectual cycle」による新市場・新製品の自殺象限:Suicide_Quadrantにおける新事業開発・事業革新にチャレンジして行くことが必要でしょう。

プロの経営者の合理的意思決定を用いた推論である「因果推論(causal reasoning)」は企業経営にとって非常に重要なことです。一方で「The effectual cycle」で新事業開発・事業革新にチャレンジする機会を与え社内起業させることが継続的な企業の活性化にはさらに重要なことだと考えています。社内起業の経験から創造的適応力のある人材・組織が育成され、その人たちに経営を教えCEOになってもらい、継続的な企業の活性化ができると考えています。

フィリップ・コトラーが昨今のマーケターに対して警鐘を鳴らしている一つに、新たなビジネスチャンスを発見せよということがあります。初期微動を捉えイノべーションに繋がるアイデアは、最初は業界の経営の常識に照らしておかしかったり間違っていたりするように見えるものです。市場の声(生活者や新たなステークホルダーを含め)を収集し初期微動を捉えイノべーションに繋がるアイデアをテスト・マーケティングする・・・・この時にThe effectual cycleが役に立ちます。今のところマーケ屋の私には、クライアント企業での新規事業開発や事業革新にThe effectual cycleをベースにして実践的に役立たせていただいています。

早く翻訳出て欲しい、待ち望んでいます。研究の手法としてのプロトコル分析ではなく、コトラー先生がマーケターに「新たなビジネスチャンスを発見せよ!」といわれている期待に応えるために、いつも石井淳蔵先生がいわれる「創造的適応」を実践するためにも、故水口健次がマーケターなら顧客接点の「初期微動をとらえろ!」を実践するためにも、「The effectual cycle」の現場での活用を深めたい。原書は読んでも語学力の乏しい私には、本当に正しく理解できているか不安があります。

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事業開発・革新の新しいセオリー EFFECTUATION:Elements Entrepreneurial Expertise 翻訳本が出る

エフェクチュエーション

新事業開発・革新の新しいセオリーの本

29日に日本マーケティング学会の第1回エフェクチュエーション研究会報告に参加しました。

私がこの本を購入したのは2009年、ちょうどクライアント先でEC新規事業に繋げるプロジェクトのお手伝いをしていました。過去多くの新規事業開発の日本の書籍で学ぼうとしましたがコンサル本ばかりで・・・・、ようやく見つけこれだと思えた本です(目次や前書きなどがPDFであったので自動翻訳に掛けて)。肝心なところだけ辞書を引きながら1ケ月で読んで整理しこれを指針にEC新規事業に繋げるプロジェクトの仕事に取り組みました。・・・・読破するには1年以上かかりました(笑。

この本が、神戸大学大学院経営学研究科の高瀬進氏が翻訳され今年の初夏頃発売されるようです。・・・・ありがたい、使いようによっては新事業開発・革新に有益なものですが日本語の本がなく周りに内容を説明しにくかったのです。5つのEffectual Principles(効果的な原則)がありその中の「Co-Creation Partnership:Crazy Quilt」というところから本の表紙ができています。コミットする意思を持った利害関係者(ステークホルダー)とパートナーシップを築き新しい市場・ユーザーを開拓すると私は解釈しています。詳しくは、英語サイトですが自動翻訳をかけることができますので、http://effectuation.org/。

日本マーケティング学会会長の石井学長(流通科学大学)の神大助教授時代からの著書もよく読ませていただいていました。STPマーケティングとは別に企業が検討すべき行動原則として「意味構成」・「了解行動」そして「共感的・対話的な理解」が必要だと1993年から言われていました。1980年代半ば、故水口健次氏が会長をしていた日本マーケティング研究所に入り竹山元一氏(元立命館大学客員教授)が社長を務める(株)エム・シー・プログラム(MCP)に配属されたころから同様のことが社内外(各大学の経営学教授の方々を含む)で議論され、仕事だけでなく時間外に社内勉強会などもありました。販促の利害関係者の概念でしたが、水口のペンタゴン・モデルというものがあります。ペンタゴンモデル(老マーケ屋なのでステークホルダー(利害関係者)は使い慣れたこのペンタゴン・モデルが馴染みやすいので、これを使用しています・これからもまだ使用します。)

新規事業開始時(ベンチャーを含む)や事業革新しさらなる成長を図ろうとするときには、STP(セグメント・ターゲット・ポジショニング)マーケティングしようにも定性的リサーチによる事業仮説しかない。・・・・定性的リサーチは、初期微動を起こしているペンタゴンモデルの各関与者の情報を集め事業仮説(意味構成)を作りますが、オーナー中堅企業でもプロジェクト(数億円の事業規模)を推進しようとすると社内からの障害(了解行動をとろうとしても共感的・対話的な理解が得られず)が多々生じます。事業部として自立するまでには、コミットする意思を持った利害関係者(ステークホルダー)とパートナーシップを築き新しい市場・ユーザーを開拓していくことが大切だと実体験から感じました。数十億の事業部になりSTPが重要になります。コトラーのいうマーケターは(百億オーダーの事業規模にできる)商品開発・サービス開発すべし、という事業の次元になり利害関係者も期待するしSTP(セグメント・ターゲット・ポジショニング)マーケティングが展開できるようになる。

50代半ばを超えた老マーケター(マーケ職人)、最後のチャレンジになるであろう「エフェクチュエーションによる新規事業開発・事業革新」。研究手法としてではなく新規事業開発・事業革新における「意味構成」・「了解行動」そして「共感的・対話的な理解」を実現する経営手法として学会でも大切に育てて頂ければ・・・・と願っております。私自身ここ数年実践をしていますが、「いかにクライアント企業に根づかせていくか」この課題をどう具体的にやっていけばいいのか暗中模索の状態です。

何はともあれ、日本語のEFFECTUATION:Elements Entrepreneurial Expertiseが出ることは私にとって「非常にありがたい」・「非常に幸運」なことです。楽しみにしています。

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