社内ベンチャー起業家育成にエフェクチュエーションを応用

Bookmark this on Google Bookmarks

エフェクチュエーションは、複数回起業し成功させた起業の専門家に共通する行動特徴を抽出し、後にThe effectual cycleとしてまとめられたものです。

経営学やマーケティング学の常識である、経営理念(コンセプト)⇒経営目標(ミッション)⇒経営戦略⇒経営計画のプロセスにおいて、新事業開発をしようとするアプローチではありません。

経営学では、過去の研究結果からも新商品・新市場の象限に位置づけられる新規事業は成功確率が非常に低い領域とされています。だから、シナジー効果のある領域に戦略的に技術・市場の研究をし、合理性のあるエビデンスに基づいて作成された経営戦略・経営計画によって着手するかどうかを経営意思決定されるのが一般的です。

経営的には効率よく新規事業を立ち上げるために、有望そうな新商品・新市場の事業領域は、M&Aで取り組まれるケースも少なくありません。

これらとは違った社内ベンチャーの起業家を育成するフレームを提供しているのが「エフェクチュエーション」だと私は捉えています。

The effectual cycle

 

エフェクチュエーションは、新商品・新市場の新会社(ビジネスユニット)を起業するに当たってPilot-in-the-Plane (Control vs. Predict)予測よりコントロールを重視しています。専門家の起業家は、起業しようというとき合理性のある十分なエビデンスに基づいて作成された経営戦略・経営計画を作成して着手するのではありません。

予測よりもコントロールを重視するとは、自ら情報収集の行動をしビジネス仮説シナリオを立て、利害関係者と交流し協力を得て、その中から初期のキー・パートナーを見つけ出しリスクも含め自分がリードしてやっていけると確信できるなら実行するということだと、私は考えています。

 

ビジネス仮説シナリオを立てられるだけの質的情報(専門家や利害関係者へ自らデプス・インタビューすることを含め)と変化の初期微動を捉えるキー指標から、新事業の構築に着手したとき、私は誰(ポジショニング)・私が知っていること(オペレーション)・私が知っている人(実現するための協力者)から実行可能な手段(MEANS)を起点に、可能性を探ります。

そして、リスクを最小限にした活動から得られるリターンを目標とするのではなく、許容できる損失の大きさによってリスクの限度を定め、そのリスクの範囲内で起こり得る高い方の目標とアクションを選択する。(Affordable Loss)

「悪い」ニュースやサプライズに出くわしても、むしろそれは新たな市場を作り出す潜在的機会をもたらすと解釈し、その代わりに最悪の事態に対処するための「仮説」シナリオを作る。(Lemonade (Leverage Contingencies)

利害関係者に自ら交流し、その中からビジネス仮説シナリオに興味を持ってくれた(相互作用しあえる)参加者を自ら選んで事前に約束をとりつけ不確実性を減らし、ベンチャー初期のパートナーとして新たな市場を共同開発する。(Crazy Quilt:Partnerships)

ベンチャー初期のビジネス仮説シナリオを実行していくと、そこでまた新たな利害関係者との交流が生まれ新たなパートナーができ、新たな実行可能な手段と目標が見つかります。

このようなThe effectual cycleを経て一定の事業規模になると経営学でいうところのビジネスユニットの段階に成長したといえるでしょう。

そのビジネスユニットを通して、経営理念(コンセプト)⇒経営目標(ミッション)⇒経営戦略⇒経営計画プロセスのマネジメントをしなければなりません。プロの経営者候補としての育成段階に移行します。

「The effectual cycle」で新事業開発・事業革新にチャレンジする機会を与え社内起業させることが継続的な企業の活性化にはさらに重要なことだと考えています。社内起業の経験から創造的適応力のある人材・組織が育成され、その人たちに経営を教えCEOになってもらい、継続的な企業の活性化ができるのではないかと考えています。

株式会社MCプロジェクト 代表取締役 坊池敏哉

カテゴリー: EFFECTUATION, New Theory タグ: , , パーマリンク

コメントを残す