新型コロナウイルス感染症COVID-19変異株へのマネジメント

Bookmark this on Google Bookmarks

新型コロナウイルス感染症COVID-19変異株は感染力が1.7倍以上もあると言われて、これが大半を占めつつあるのが現状です。

「まん延防止等重点措置」や「緊急事態宣言」は、Control(規制・統制・支配等の意味、支配下に置いて管理する・制御する)レベルでしかありません。人流を80%削減・3蜜回避・社会的距離確保・飲食業等営業時間短縮などなど・・・・これまで以上にやって、事態が正常に戻るにはワクチン接種率が70-85%になる必要があると言われていますがそれまでの長期間持ちこたえられるのか?・・・・そんなの難しいでしょう。

「ワクチン接種を接種率が70-85%まで行う」ことと、「ワクチン接種率が70-85%になるまで中等症・重症化して亡くなる人を少なくする」か、今何をして凌いでいくかがAdministration(政権・本部・経営陣がその組織の方針を設定し導く)レベルだろう。

COVID-19のワクチンは、世界で争奪戦を繰り広げています。欧米等に比べCOVID-19の感染者数が1桁以上少ない日本がそれらの国々を押しのけて調達するのは難しい。ワクチンをオリンピック開催のために中国から日本に優先的に調達するのは、世論の合意や安全保障上の問題などで難しい。・・・・どんな手を打っても2021年末までにワクチン接種を接種率が70-85%できればいい方だろう。

「ワクチン接種率が70-85%になるまで中等症・重症化して亡くなる人を少なくする」には、世界一の実施率でPCR検査等をして陽性者を見つけ隔離しても、変異株の検査をしても、中等症・重症化して亡くなる人は少なくできないだろう。

COVID-19で亡くなる方の多くはサイトカインストームによるものが多いのは分かっています。

【新型コロナウイルス感染症診療の手引き4.1】から

〇呼吸不全のため,酸素投与が必要となる。呼吸不全の原因を推測するため,酸素投与前に動脈血液ガス検査(PaO2,PaCO2)を行う。

また,必要に応じて人工呼吸器や ECMO の医療体制の整う施設への転院を考慮する。

〇肺の浸潤影が拡大進行するなど急速に増悪する場合がある.このような場合,ステロイド薬を早期に使用すべきであり,さらにレムデシビルの使用も考慮する。

また,トシリズマブ (適応外使用であることに留意)が用いられることもある (「5薬物療法」の項を参照).

〇中等症 II 以上では,ステロイド薬の使用によって予後改善効果が認められるため,強く推奨されている.ステロイド薬としてはデキサメサゾン 6mg が最もエビデンスがあり,10 日間使用する.同じ力価の他の薬剤,プレドニゾロン 40㎎,メチルプレドニゾロン 32㎎も代替使用可能と考えられる.

〇通常の場合,O2 5 L/min までの経鼻カニューレあるいは O2 5 L/min まで酸素マスクにより,SpO2≧ 93% を維持する.

*注 : 経鼻カニューレ使用時はエアロゾル発生抑制のため,サージカルマスクを着用させる.

〇酸素マスクによる O2投与でも SpO2≧ 93% を維持できなくなった場合,ステロイド薬やレムデシビルなどの効果をみつつ,人工呼吸への移行を考慮する.

*注:環境汚染のリスクから推奨しないが,この段階では,通常はリザーバー付きマスク(10~15 L/min),ネーザルハイフローや非侵襲的陽圧換気が考慮される.エアロゾルが発生し院内感染のリスクがあるため, 陰圧個室の利用が望ましい.ハイフロー使用時には30 ~40 L/min とし,カニューレが鼻腔内に入っていることを必ず確認し,エアロゾル発生を抑制するためにサージカルマスクを装着させる。

【新型コロナウイルス感染症診療の手引き4.1】から引用終わり。

 

Management(実行可能な具体的な施策を練って実行する)レベルでは、次のような対応仮説が考えられるでしょう。

例えば

第3波8,000人/日の新規感染者×21日(3週間)×2倍(感染力の増加)=336,000人を隔離できるようにするのか?・・・・スマートウォッチでパルスオキシメーターの機能を有する製品も出てきている、これを貸与し行動や健康観察はNetを活用し、中等症になる人を速やかに入院できるような仕組みを整える。

中国のデータによると、Covid-19の患者の81%が軽度または中等度の疾患(肺炎のない人と軽度の肺炎のある人を含む)、14%が重度の疾患、5%が重篤な疾患であったと報告されています。

変異株は重症化する率がこれと同程度あると想定すると、重篤患者が約5%:1.7万人が人工呼吸器を必要とし、重度の疾患14%:5万人が【新型コロナウイルス感染症診療の手引き4.1】にあるような治療ができるようにする。最近の日本のリュウマチ患者数33万人(平成26年患者調査からの推定)の15%に当たる人がステロイド薬等の治療が必要になります。病床数を5万床程度確保しながら、ステロイド薬を今の1.15倍確保し治療に当たれるようにしておかないといけなくなります。人工呼吸機を使わなければならない重篤化する患者を少なくするための中等症段階での速やかな治療が重要になるでしょう。日本集中治療学会の昨春の推定値で、人工呼吸器の推定保有台数約45,000台、ECMO装置の推定保有台数は2,200台程度、別の発表では人口呼吸器約1万台が空いているとの資料もあった。昨春時点で、人工呼吸器の稼働率80%程度、それなりに妥当な数字ではないかと思います。あれから人工呼吸機がどのくらい増えたのか分かりませんが、稼働率100%にしても重篤患者1.7万人をカバーできなくなる事態は避けられないでしょう。中等症の段階での治療によって重篤化し命を落とす方を減らさなければ、人口呼吸機がたりなくなりトリアージが医療現場で必要になるでしょう。

重度の疾患(中等症)5万人を、ステロイド薬等による治療が行えるようにするには指定感染症の指定を見直す必要が出てくるでしょう。中等症の初期段階での早期の治療開始ができる仕組みと、中等症のCOVID-19感染者を、重いインフルエンザ患者の入院治療レベルでの医療活動ができるように指定感染症制度運用の見直しを含め対策する必要があるでしょう。医療関係者を最優先にCovid-19のワクチン接種を進めていている、そのポテンシャルを生かした中等症のCOVID-19感染者を入院治療する医療体制で臨める時期がすぐそこにまで来ているでしょう。

最悪の場合トリアージを現場の医師に任せるのか、それはあまりに過酷な任務ではないだろうか。自衛隊の医官は全国各地の自衛隊病院や部隊で勤務する医官と看護官が各約1000人、それぞれ100人程度でトリアージチームを編成し対応するのだろうか・・・・。非常事態の現場を想定すると、心身ともにタフネスにControl(規制・統制・支配等の意味、支配下に置いて管理する・制御する)に耐えうるには、自衛隊病院や部隊で勤務する医官と看護官が想定されていいように思えます。

 

Administration(政権・本部・経営陣がその組織の方針を設定し導く)は、Management(実行可能な具体的な施策を練って実行する)がなければ機能しない。通常の行政組織は、法令によってControl(規制・統制・支配等の意味、支配下に置いて管理する・制御する)レベルの業務を行っています。日本の企業の多くも経営計画のもとでControl(規制・統制・支配等の意味、支配下に置いて管理する・制御する)レベルの業務を行う組織がほとんどです。状況が激変する時Management(実行可能な具体的な施策を練って実行する)仮説を立て実施関与者を説明説得しトライして行く調整をし実行可能性を示しながら、Administration(政権・本部・経営陣がその組織の方針を設定し導く)に意思決定してもらえるように持って行かなければならないでしょう。

私の仕事の現場は企業のManagement(実行可能な具体的な施策を練って実行する)のところです。実行し始めても想定外の課題や問題に直面し上手く行かないときの方が多い、失敗というよりも大きく高い段差の壁が立ちふさがります。Managementの現場では、大きく高い段差の壁を乗り越えられるレバレッジを効かせられる方法を見つけ出し乗り越えるトライをし続けなければなりません。

私は、経営やManagementの専門家(研究者)ではなく、実務家の立場の企業経営コンサルです。Administration(政権・本部・経営陣がその組織の方針を設定し導く)に対してプロジェクトや新しい組織を提案し、そこに対してManagementの実務のお手伝いをしています。政府や行政を批判しても責任問題追及しても、新型コロナウイルス感染症対策専門家会議に対して云々言ってもどうにもならない。Controlレベルの学校教育や就業経験が中心の日本が抱える問題なのだろうと私は捉えています。Controlレベルで優れている日本人が追い込まれて、医療崩壊の壁を切り抜けることに期待するしかないのでしょう。個人レベルではSelf-Managementで生き抜いて行くしかないでしょう。

2021年4月2日時点での日本語で「管理」と訳されるAdministration・Management・Controlについて、新型コロナウイルス感染症COVID-19変異株への対応を例に、Managementの実務のお手伝いをしている自分自身に対して「本当にお役に立てているのか」との問いかけをするように、備忘録として記しました。

株式会社MCプロジェクト 代表取締役 坊池敏哉

カテゴリー: Covid-19, 政治・行政 パーマリンク

コメントを残す