メチャクチャ気持ちいい気付きが得られる研究会でした

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日本マーケティング学会第3回<マーケティングと新市場創造研究報告会>
ネスレ日本株式会社神戸本社で以下の方のご講演、私は非常に感銘を受けました。
最初の講演者の方は、ネスレ日本株式会社チーフ・マーケティング・オフィサー(専務執行役員)で日本マーケティング学会常任理事の石橋昌文氏の短い講演でしたが、人事総務など全社各部門に横串を指す形のマーケティング展開の図が示されていました。そしてその説明もお聞きしました。
あとで名刺をいただきましたが「チーフ・マーケティング・オフィサー」とカタカナで書かれた肩書の名刺を私は初めていただきました。
人事総務など全社各部門に横串を指す形のマーケティング展開の図は、書くのは簡単ですが、専務執行役員が徹底して実践しておられるのが、その後のお二人のご講演内容と、講演前後に講演される方と専務とのちょっとした会話や態度でよく分かりました。

「ネスカフェアンバサダーの事例紹介」(14:10 -14:55)
ネスレ日本株式会社 Eコマース本部 部長 津田匡保氏
「キットカットショコラトリーの事例紹介」(15:10 – 15:55)
ネスレ日本株式会社 コンフェクショナリー事業本部
マーケティング部 部長 槇亮次氏

お二人とも講演の冒頭はチーフ・マーケティング・オフィサーの石橋氏と重なる「ネスレのアイデンティティー」のような部分を用意されていました。
東京にも本社がありますが、津田匡保氏は東京から戻ってすぐの講演でした。津田氏は石橋氏と同内容のページを示されたりもしていましたが・・・・でもその時のお二人の表情が私には「いいな~」と思えました。(私は師匠の竹山さんのところに年に数回遊びに伺いますが、長いこと一緒に仕事の話をしていないな~・・・・ちと寂しい。)
15分の休憩を挟んで、槇亮次氏の講演前はチーフ・マーケティング・オフィサーの石橋氏と簡単に打ち合わせをしておられました。
槇亮次氏の講演の中の説明で、ネスレでのマーケティングとは、≪マーケティング≠マネジメント、マーケティング=経営≫と示されていました。
ネスレ日本にとってマーケティングが経営そのものなのですね。
CMOではなく「チーフ・マーケティング・オフィサー」の石橋氏の存在が非常に重要なのだろうなと私は思いました。

私は、日本マーケティング研究所に入りたての1982年頃の社内研修で当時のネスレ日本のマーケティング部長の講義を受けたことがあります。
やっぱり外資系のマーケティングは本格的だなと驚き、その何年か後(1985年ごろ)に米国に研修に行ったときに各社のマーケティング責任者の方々からプレゼンを受けた時にも同じように感じました。米国研修は、今では世界的ブランド戦略の権威のデービット・A・アーカー氏がセットして下さっていました。米国研修最終日にサンフランシスコのホテルで、日本マーケティング研究所の森茂樹社長と柳沢健氏(後に顧客満足経営の書籍翻訳されました)と私がデービット・A・アーカー氏とじっくり意見交換させていただく機会を得ました。カスタマー・リレーションシップの構築にアイデンティティーの重要性をデービット・A・アーカー氏からお聞きしたのを強烈に覚えています。その場にはアーカー氏の会社の日系女性社員のたしかSUGIYAMAさんが同席していて、彼女と私を交換留学させないかとのご提案をいただいたりしたので余計強烈に覚えています。
後のブランド戦略論の中でも「アイデンティティー」の重要性を述べられています。

津田匡保氏の「ネスカフェアンバサダーの事例紹介」で「アイデンティティー」を非常に強く感じました。あまり知られていない、「ネスカフェアンバサダー」の展開をする元になったお話をしてくださいました。
「バリスタ」を商品化しヒットした後、2011年東日本大震災の時に神戸出身の津田匡保氏が被災地の仮設住宅を「バリスタ」を持って回り暖かいコーヒーを飲んでいただく活動をしていたそうです。イベントのある時は仮設住宅の方も集まり交流を持つことがあるが、普段交流を持つ場もないという話を聞き、バリスタとコーヒーを仮設住宅に提供しコーヒーを飲む場を作られると、自然と人が集まり話したり交流がうまれるようになったそうです。
コーヒーの家庭での需要が減少する市場環境に対して、ネスレが取り込めていなかった家庭外でのコーヒー需要を取り込む事業展開を考える中で、東北での経験が生かされました。
そして、オフィス市場の開拓を、「バリスタ」を無償提供し「コーヒー」を安価に直接提供する「ネスカフェアンバサダー」で成功させておられます。
このビジネス・モデルの根幹には「あなたの職場に、笑顔とくつろぎの場所を!」という「ネスカフェアンバサダー」が提供するオフィス環境づくりのサービスがあります。津田匡保氏が2011年東日本大震災の時に仮設住宅でコーヒーを囲んで仮設住宅の人たちが交流した経験がサービスの基本にあります。顧客の課題解決(ソリューション)を大切にするネスレ日本のアイデンティティがあり、単に職場にコーヒーを提供するビジネスではなく、コーヒーを囲んで職場に笑顔とくつろぎの場所を提供するサービスとしてのビジネスに仕上げられ、さらにその奥にビジネス推進者の震災の時の経験というアイデンティティーがあります。
津田匡保氏は何万人ものアンバサダーになっておられる方と直接会われています。また、神戸本社にはグループ・インタビュー・ルームも持っておられます。
スーパーマーケットがEDLP(毎日が低下価格)になり、以前の営業活動のように特売エンド大量陳列をして回ることも減り、600人近くいた営業を400人に削減し、その営業の方々をネスカフェアンバサダーのデモンストレーション営業に振り向けられたようにもうかがいました。
コーヒーを囲んで職場に笑顔とくつろぎの場所を提供するサービスの価値を広める活動を通じて、営業改革も加速されているのではないかと私は思いました。

また、Eコマース本部 部長 津田匡保氏のネスカフェアンバサダーは、市場の境界の引き直しとメリハリ・高い独自性・訴求力のある戦略キャンパスができているブルーオーシャン戦略の例としても予測不可能な新市場・新商品(サービス)の社内起業のエフェクチュエーションの例としても非常に優れているのではないかと個人的には思えて仕方ありません。また、会社のネスカフェというブランドの新しいヒストリーの一ページを綴るようなブランド・アイデンティティーになれば最高にいいなと思いました。そんな可能性があるからこそ、ローカル(ネスレ日本)からグローバルへ向かうイノベーションなのでしょうね。チーフ・マーケティング・オフィサーの石橋氏がいらっしゃったからこそ社内起業のようなネスカフェアンバサダーが3年で28万人と事業としても育ち世界のネスレに広まっていくのでしょうね。この事例は世界的に通用する経営戦略論のブルーオーシャン戦略・ブランド戦略、そして市場創造の行動論理のエフェクチュエーションで論理武装しプレゼンテーションすれば、グローバル(世界企業)な経営(Business Administration)に日本人が参画できる事例になるのではないかと思えてしまいます。私はマーケティングや経営を研究する人ではありません、今日の研究会はエフェクチュエーションの関係のものではありませんがその研究の関係者の方は非常に少なかったですね。私は津田さんとは時間もなく名刺交換できませんでした、残念!

チーフ・マーケティング・オフィサーの役割と、マーケティング=経営、アイデンティティー、忘れられないほどに深く感動し、心に刻みつけるものとなりました。こんなマーケティング・リテラシーの高い会社・組織があるんだ~・・・・素直に感激しました。チーフ・マーケティング・オフィサーの石橋氏の能力レベルになくクライアント企業内での権限もない私ですが、顧問をしているクライアント企業が少しでもこんな会社に近づけるようお手伝い頑張らねば!
3月28日にツタヤ・ネスレの社長様と石井会長の学会関係のイベントがあるとの告知もいただきました。楽しみにしています、がその頃にクライアントの重要なビジネス・イベントの日程と微妙に重なりそうで・・・・。

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