■顧客満足・従業員満足を利益に連鎖させる方法

8)事業構造にあった利益に連鎖させる工夫
 

顧客満足(CS)、従業員満足(ES)、顧客ロイヤルティ、顧客リレーションシップ・マネジメント(CRM)、ブランド戦略だ!・・・・手法やツールが目的化してはならないでしょう。
目的は、利益につなげる改善・革新のためのはずです ⇒ 利益インパクト予測のモデル が欧米アジアで早くから実践されている理由でしょう。
利益に連鎖させるのは、トップマネジメントの「経営判断」のためでもあり、顧客に近い第一線の現場改善の説得力・納得性を高める組織コミュニケーション材料のためでもあるでしょう。 本質は「企業経営」である以上「利益」は重要ファクターだから、手段やツールを「利益」にどうつなげ応用・活用するかだと考えます。

プロフィット・チェーン(利益に連鎖させる)は、どこも同じように当てはめられるものでものでもありません。「満足属性の利益インパクト予測モデル」の基本はこれまでに示してきた進め方ですが、「応用力」と「活用力」でプロフィット・チェーン(利益に連鎖させる)を築く状況に合わせて工夫することが必要です。
たとえば、次のようなことがあります。

@顧客に対する直接サービス業・小売業

 欧米アジアの先行事例では「顧客に対する直接サービス業・小売業」は、CS以上にESの「満足属性の利益インパクト予測モデル」を重視している例も多くあります。従業員が直接顧客に提供するサービスの質が顧客満足を大きく左右し、サービスの質は「従業員の満足度」が大きく影響するからです。
この場合、拠点単位の従業員満足を、拠点単位の利益生産性指標に対する満足属性の利益インパクト予測モデルにすることもできます。
 バリュー・プロフィット・チェーンの書籍の中でもありますが、欧米アジアなどでは、従業員の計画外の「離職率」が組織の生産性を落とすことから「従業員定着率」と連鎖させることも重視されています。
従業員の計画外の「離職」が組織生産性を落とす大きな原因になっていない企業組織では「利益生産性指標」を重視すべきでしょう。
 
 一般消費者・生活者を顧客とする100拠点以上もあるような「小売業」「サービス業」では、全社共通の基本的な顧客満足差別化のオペレーションを顧客満足の「満足属性の利益インパクト予測モデル」から事業戦略として打ち出すことも重要ですが、利益改善の重要なカギは「販売の現場」の差にあることが多い。
「販売の現場」での差は、「従業員の満足度の高さ」が直接の原因と短絡的に言うことはできませんが、従業員満足の満足属性に関わる組織風土・文化など「従業員潜在満足変数」が大きく関わって拠点間の差を生み出す傾向が強い。
「接客」や「店舗運営(売り場作り)」は、「従業員潜在満足変数」によって拠点間の差を生み、結果として拠点間の顧客満足・顧客ロイヤルティの差を生み出してしまう。
従業員の満足度を上げれば利益改善が図れるのではなく、「よい接客」「よい店舗運営」を促進する拠点の組織風土・文化など「従業員潜在満足変数」とその「従業員満足属性」を「拠点単位の利益生産性」と連鎖させるESの「満足属性の利益インパクト予測モデル」から導き出すのです。

 これら業種においては、『従業員満足調査(ES調査)をし「よい接客」「よい店舗運営」を促進し「利益生産性」を高める「従業員潜在満足変数」とその「従業員満足属性」を導き出すことを重視しなければならない』ということを念頭においておきましょう。

※100拠点以上としているのは、「満足属性の利益インパクト予測モデル」で分析するサンプルが「拠点」単位となるので、少なくとも100拠点以上ないと分析に十分耐えないからです。(予測信頼性は落ちますがいくら少なくても50拠点以上)
サンプル単位は拠点単位でなくとも、可能なら「売り場単位」「営業・サービスのグループ単位」に分割することも考慮すれば適応することができる可能性は広がるでしょう。

A顧客数の少ない生産財製造企業

 「従業員」の「満足属性の利益インパクト予測モデル」の影響力が大きいものとして、顧客数の少ない「生産財の製造企業」が考えられます。
顧客満足を捕らえようとしても顧客企業サンプル数が少なくモデル化しにくい業種ですが、顧客企業の満足状況が直接自社の担当者から自社組織従業員に伝わり影響し「従業員満足」に反映されます。「従業員満足」が「顧客満足」をかなりの程度を反映する業種もあるということです・・・・「顧客満足」をモデル化しにくい業種でもあきらめず拠点単位の「従業員満足」を拠点単位の「利益生産性指標」に対するインパクトや、従業員単位でなら「従業員ロイヤルティ」に対するインパクトをモデル化するなどの工夫が必要です。

  電子デバイスの製造企業や自動車部品製造企業など、取引顧客企業の数が少ない事業では「顧客」の「満足属性の利益インパクト予測モデル」による分析を行おうとしても十分なサンプル数がなくできないでしょう。
顧客企業の「資材調達部門」「開発設計部門」「製造部門」などの関与者に分析に耐えるサンプル数の顧客満足調査に協力してもらえるのなら特殊な形ですが「顧客」の「満足属性の利益インパクト予測モデル」による分析もありえるでしょう。・・・・これはよほどのことがないと難しい。
このような事業では、顧客企業の「資材調達部門」「開発設計部門」「製造部門」など取引関係上深く接触し顧客情報が組織内にフィードバックされているはずです。顧客満足の状況がダイレクトに従業員を介して組織にもたらされ対応しなければならない事業です。
営業担当者が顧客要求を組織に持ち帰り、社内の品質保証部門・設計開発部門・製造部門(調達・生産管理・製造)などに伝え調整しながら対応しています。自社の対応(品質・納期・コスト・利益も含め)に対する顧客反応の情報がフィードバックされ「従業員」の「満足属性」「潜在満足属性」に反映されます。
 
 「顧客満足の状態」を反映した「従業員」「満足属性」・「潜在満足変数」・「満足」の「利益」への「インパクト」は、少なくとも50人以上の従業員について従業員単位の「生産性指標」が捕捉されている場合は「満足属性の利益インパクト予測モデル」の手順に沿って推定することができます。
また、事業拠点数や組織グループが50を超えるならば、拠点単位の「従業員」の「満足属性」「潜在満足属性」を拠点単位の「利益生産性指標」に対するインパクトを求める「従業員」の「満足属性の利益インパクト予測モデル」の適応も可能でしょう。

 そうではなければ、従業員単位で「従業員ロイヤルティ」に対するインパクトをモデル化することになります。
この場合「従業員ロイヤルティ」は、顧客から得られる利益に繋がる「従業員ロイヤルティ」に合成されるのが望ましいといえます。
顧客要求に応えるために自社組織は「保有能力発揮」「能力開発」「上司の職務遂行」「同僚の職務遂行」などを「どの程度自信を持ってできていると言えるか?」などを問う項目設定にするなどの工夫が必要でしょう。 それを主成分分析で合成することになります。
この例の場合は、「従業員ロイヤルティ」は、顧客要求に応える自社組織に対する従業員の「自信と信頼」につながる項目を、主成分分析で合成するように項目設定していることになります。・・・・顧客企業からの信頼を得ているか?・・・・満足を得ているか?などと問う同様の項目設定も用意し、主成分分析で合成し「自社顧客信頼獲得度」「自社顧客満足獲得度」のようにするなどもよいでしょう。
※従業員ロイヤルティは、「従業員の自社組織に対する忠誠度」と言葉通りに捉えてしまよりも、予測目的にあった捉え方をすることが大切だと言えます。

 また、顧客満足の実態を反映させやすいように、前提質問として顧客受注金額・粗利益とその直近の増減率、顧客内シェアとその増減、案件受注率などの「業績実態」を記入させる項目を置くなど工夫が必要でしょう。

●サンプル数が少ない場合、よりよい方法として、たとえば、1〜2年間、数度の「満足評価」を実施し、たとえば15サンプルしかなくとも3回評価を取ると、45サンプル得られます。 各回の時点での「利益」「生産性指標」を目的変数のデータにし、「満足属性の利益インパクト予測モデル」で分析することが出来ます。
50〜100サンプルの最低サンプル数に満たない場合は、このような工夫をすることで可能となります。

B関係性の強い系列販売会社・特約店・代理店をチャネルに起用している企業(メーカー)

 ステークホルダーの関係性の強い系列販売会社・特約店・代理店の「顧客満足」「従業員満足」が、事業の利益に大きく影響してくる場合も少なくないでしょう。
中間財(たとえば建材・住宅設備機器)・耐久消費財(たとえば自動車・タイヤ)などの企業がこれにあたります。
顧客に近い第一線の現場改善は社内にあるだけでなく、関係の強い系列販社・特約店・代理店レベルでの改善が「利益」に大きく影響する事業が在ります。
このような場合には、ステークホルダーに対する支援策として「顧客満足」・「従業員満足」の「満足属性の利益インパクト予測モデル」をツールに、関係の強い系列販社・特約店・代理店の改善を計画させ実施させることも有効な手段となります。関係性の強い系列販売会社・特約店・代理店に対する実践型の指導の形をとることになるでしょう。

 メーカー企業が、関係性の強い系列販売会社・特約店・代理店の「拠点単位」に、「顧客満足」と「利益」、「従業員満足」と「生産性指標」の「満足属性の利益インパクト予測モデル」での分析からで下図のTとUにあたる「インパクト」の高い「満足属性」「潜在満足変数」を明らかにし、パフォーマンス(評価点)1単位向上したときの「利益」「生産性」の改善額を求めておく。(拠点単位の「満足属性の利益インパクトモデル」を構築しておく)
そして、社内ベンチマーク開発の「正しい組織・グループ」を選び出す手順と同じように、関係性の強い系列販売会社・特約店・代理店の「拠点単位」を、CSとESのインパクトの高い「満足属性」「潜在満足変数」だけで、拠点単位のパフォーマンスを求めます。
CS・ES系高インパクト属性のパフォーマンス・マトリクスにプロットし、CSとESともに高いグループの拠点をベンチマーク拠点として抽出します。 「ベンチマーク拠点」でモデル展開し「ベスト・プラクティス」を開発し実証テストをする。 
問題グループの各拠点に展開指導するのは、その拠点の「満足属性」のTとUでパフォーマンスが低いものを重点的に改善検討させることになります。
改善策は、ベンチマーク拠点で実証された「ベスト・プラクティス」を導入指導します。 ・・・・・問題グループの拠点への展開は個別指導または集合研修方式で行われます。



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